病棟と介護施設、両方を経て見えた「ケアの本質」
私は看護師として、病棟にいたころも、いまのデイサービスでも働いてきました。場所はずいぶん違います。それでも、両方を経験したからこそ見えてきた「ケアの本質」のようなものが、あります。
「忙しくても、ほんの少し利用者さんの話を聞く。それだけで、ケアが変わる気がする」
病棟は「治す」、介護施設は「暮らしを支える」
病棟の主な役割は、病気やケガを治すことです。一方、デイサービスのような介護の場は、その人の暮らしそのものを支える場所です。目的が違うので、流れる時間も、大切にされることも違います。
それでも、共通していること
場所が違っても、変わらないものがあります。それは、目の前の人を「ひとりの人」として見ること。病名や介護度ではなく、その人がどんな人で、何を大事に生きてきたかを見ること。これは、病棟でも介護施設でも、ケアの土台でした。
「効率」だけでは、ケアにならない
忙しい現場では、つい効率が優先されます。でも、効率だけで回したケアは、どこか冷たくなります。ほんの少しの声かけ、ほんの少し待つこと。その「少し」に、その人の尊厳が宿ります。これも、両方の現場で感じてきたことです。
ケアの本質は、たぶんシンプル
26年やってきて思うのは、ケアの本質は、案外シンプルだということです。相手を、ひとりの人として大事にする。ただ、それを忙しさの中で続けることが、いちばん難しい。そして、それを毎日続けているのが、介護の現場にいるあなたです。
だから私は、あなたの仕事を心から尊敬しています。このサイトが、その仕事を少しでも長く続けるための助けになればと願っています。
病棟と介護施設の両方を経験して見えてきたケアの本質は、「治す」と「暮らしを支える」の違いです。介護は完治をめざす仕事ではなく、その人の生活を、その人らしく続けるための仕事——その尊さを書きました。
