「今日にでも辞めたい。でも、次の仕事が決まっていない」。求人を開いては、家賃や保険料が頭に浮かび、応募の前で止まることがあります。

次が決まるまで辞めてはいけないわけではありません。ただ、体調、貯金、家族状況、使える制度で安全な順番は変わります。退職を急ぐ前に、七つの項目を紙に出して空白を減らします。

夜のテーブルで求人情報と家計を比べる手元のイラスト

退職前のお金・手続き7項目

  1. 最低生活費
  2. 有給と最終給与
  3. 健康保険
  4. 年金
  5. 雇用保険
  6. 体調不良時の制度
  7. 次の職場の最低条件

退職の前と後で、やることの早見表

退職前後のお金・手続き
時期やること確認する先
辞めると決めたら最低生活費を出す/有給の残日数と最終給与の支払日を確認給与明細・就業規則
退職日を決める前体調が悪いなら、傷病手当金の条件を先に確認(退職日の出勤で扱いが変わる)加入している健康保険
退職の前退職後の健康保険を比べる(任意継続・国民健康保険・家族の扶養)。申し込みの期限が短いので、保険料の試算を先にもらう加入している健康保険・市区町村
退職の前離職票・源泉徴収票・雇用保険被保険者証の受け取り方を確認職場の担当者
退職したらすぐ健康保険と年金の切り替え(次の職場にすぐ入らない場合)市区町村・年金事務所
離職票が届いたらハローワークで求職の申し込み(失業給付の手続き)住所地のハローワーク
次の職場が決まったら源泉徴収票を新しい職場に出す(年末調整のため)新しい職場

1. 最低生活費を一か月分だけ出す

家賃、食費、水道光熱費、通信費、保険、返済、家族に必要なお金を合計します。娯楽費まで完璧に分類せず、「これ以下にはできない金額」を出してください。

貯金から退職後に必要な税・保険の予備費を分け、残りを最低生活費で割ると、無収入で動けるおおよその期間が見えます。税額や保険料は人によって違うため、市区町村や加入先へ確認します。

2. 有給・最終給与・退職書類を確認する

給与明細、雇用契約書、就業規則を手元に置き、有給残日数、締め日・支払日、夜勤手当や処遇改善手当の扱いを確認します。退職後に必要な離職票、源泉徴収票、雇用保険被保険者証の受け取り方法も一覧にします。

分からない点は、口頭だけでなくメールなど記録が残る方法で質問してください。退職を拒まれている人は、先に人手不足を理由に引き止められたときの手順を確認します。

3. 退職後の健康保険を比べる

次の会社へすぐ入らない場合、健康保険は空白にせず、任意継続、国民健康保険、家族の被扶養者など、自分が選べる方法と保険料を確認します。任意継続は在職中と保険料の負担方法が変わるため、金額だけで決めず加入先へ試算を依頼します。

4. 年金の切り替えを忘れない

退職後すぐに厚生年金へ再加入しない20歳以上60歳未満の人は、原則として国民年金の手続きが必要です。配偶者の扶養に入る場合などは扱いが異なるため、市区町村・年金事務所・新しい勤務先へ確認してください。

5. 雇用保険は「すぐ満額」と決めつけない

基本手当は、離職票を持ってハローワークで求職の申し込みをして始まります。受給要件、給付制限、支給日数は、離職理由や加入期間などで変わります。「失業給付があるから何か月も大丈夫」と先に生活計画へ入れず、管轄のハローワークで自分の条件を確認します。

失業給付を受けられる期間(受給期間)は、原則として離職した日の翌日から1年間です。その間に病気やけがなどで引き続き30日以上働けないときは、受給期間を延ばす手続きがあります。「少し休んでから」と思っていても、手続きを後回しにしすぎないようにしてください。

離職票の退職理由が実際と違う場合は、根拠になる記録を持ってハローワークへ申し出られます。

6. 体調不良があるなら、退職前に制度を確認する

働けないほどの体調不良がある場合、求人探しより受診と休養が先です。協会けんぽの説明では、退職後も傷病手当金を受け続けるには、①退職日までに続けて1年以上の被保険者期間があること、②退職するときに傷病手当金を受けているか、受ける条件を満たしていること、の2つが必要です。そして退職日に出勤すると、退職後の分は受けられないとされています。

傷病手当金には支給要件があり、退職後の継続給付にも被保険者期間や退職日時点の状態など条件があります。退職日や出勤状況で扱いが変わるため、自己判断で日付を決める前に加入する健康保険へ確認してください。

眠れない、食べられない、出勤前に動けない状態が続くときは、介護職の限界チェックリストで休む手段と相談先を先に分けます。

7. 次の職場の最低条件を三つ決める

「どこでもいいから今よりまし」では、同じ負担を見落としやすくなります。夜勤回数、通勤時間、基本給、休憩、人員配置、教育体制から、譲れない条件を三つまで選んでください。

退職前に応募を始める場合も、いったん休んでから探す場合も、この三つが求人を断る基準になります。

次の一手

七項目を一枚に書いたら、求人の探し方を比べます。登録を急がず、直接応募・ハローワーク・介護職向けサービスの違いから選んでください。

介護転職サービスの選び方を読む →

よくある質問

次の仕事が決まっていなくても、辞めて大丈夫ですか?

辞めてはいけないわけではありません。ただ、最低生活費、退職後の健康保険と年金、失業給付の条件で、安全に動ける期間は人によって変わります。この記事の7項目を一枚に書き出してから、退職日を決めてください。

失業給付は、辞めてすぐにもらえますか?

離職票を持ってハローワークで求職の申し込みをしてから手続きが始まり、退職の理由などによっては給付を受けられない期間(給付制限)があります。いつから、いくら受けられるかは、住所地のハローワークで確認してください。

体調が悪くて辞める場合、気をつけることは?

傷病手当金を退職後も受け続けるには条件があり、退職日に出勤すると退職後の分は受けられないとされています。退職日を決める前に、加入している健康保険に確認してください。

退職後の健康保険は、どれを選べばいいですか?

任意継続・国民健康保険・家族の扶養のどれが選べるか、保険料がいくらになるかは人によって違います。金額だけで決めず、加入している健康保険と市区町村の両方に試算をもらって比べてください。

年代で悩みの中身が違うときは、介護職を辞めたい:年代別に先に確認することも参考にしてください。

税・社会保険・給付の金額や要件は個別に異なります。退職日を決める前に、勤務先、加入先、市区町村、ハローワーク等へ確認してください。