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介護現場のハラスメント、声を上げる方法

ひかる / 26年目の現役看護師
公開:2026-05-22更新:2026-05-23
介護職員が落ち着いて相談を聞いてもらっている場面のイラスト

介護の現場には、口にしにくいけれど、確かにある問題があります。ハラスメントです。利用者さんや家族から、あるいは同僚や上司から。看護師として現場にいると、介護職がこの問題でひとり傷ついている場面を、私は何度も見てきました。つらい思いをひとりで抱えている人へ、声を上げるための道筋を書いておきます。

現場の声

「利用者さんから何度も体を触られても、『介助のうちだから』と、誰にも言えなかった」

この記事の目次
  1. それは「あなたのせい」ではない
  2. ハラスメントには種類がある
  3. まず「記録する」
  4. 相談先は、ひとつではない
  5. 職場が向き合わないなら、それも判断材料

それは「あなたのせい」ではない

まず、いちばん大事なことから。暴言、暴力、セクシュアルな言動、理不尽な要求。これらを受けたとき、「自分の対応が悪かったのかも」と思ってしまう人が、とても多い。でも、違います。ハラスメントは、受けた側の問題ではありません。

ハラスメントには種類がある

女性の職員が、男性の利用者さんの介助に入るたびに、体を触られ、際どい言葉をかけられる。「これも介助のうちだから」と、誰にも言えないまま飲み込んでいる。私が見聞きしてきたなかでも、特に多い形のひとつです。

利用者さんや家族からのもの。そして、同僚や上司からのもの。認知症の症状による言動と、ハラスメントは切り分けて考える必要がありますが、「症状だから我慢して当然」ということにはなりません。どちらの場合も、あなたが黙って傷つく必要はありません。

まず「記録する」

声を上げるとき、いちばん力になるのが記録です。いつ、どこで、誰から、何をされたか。短いメモで構いません。記憶はあいまいになっていきます。書き残した記録は、あとであなたを守る材料になります。

相談先は、ひとつではない

職場の上司や管理者。法人のハラスメント相談窓口。それでも状況が動かないなら、外部の窓口もあります。各都道府県の労働局や、労働基準監督署など、職場の外にも相談できる場所があります。ひとりで抱え込まず、「相談していいことなんだ」と知っておいてください。

職場が向き合わないなら、それも判断材料

声を上げても、職場がきちんと向き合わない。そういう職場も、残念ながらあります。そのときは——その事実を、転職を考えるための材料にしていい。あなたの安全を守れない職場に、居続ける義務はありません。

ハラスメントを我慢することは、仕事の一部ではありません。声を上げることは、わがままではありません。あなたが安心して働ける場所は、ちゃんとあります。

まとめ

ハラスメントは、我慢する側の問題ではありません。記録して、複数人で対応して、必要なら職場を変える。声を上げる方法と、声を上げにくい現実への対処を書きました。

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声を上げても職場が変わらないなら、辞めるのは正当な選択です。

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よくある質問

利用者からのハラスメントは介護職の宿命ですか?
違います。法律上は労働者を守る対象です。施設には対応義務があり、職員一人で抱える話ではありません。
上司に相談しても取り合ってもらえません
記録(日時・状況・対応)を必ず残してください。労働基準監督署、社会福祉協議会、外部相談窓口に相談できます。
家族からの理不尽な要求にはどう対応すべき?
一人で対応せず、リーダーと2人体制が原則です。記録を残し、施設として家族と話す場を設けるよう求めてください。
ハラスメント被害で休職できますか?
可能です。診断書があれば傷病手当金(給与の約2/3)を最大1年6ヶ月受け取れます。健康保険組合に相談してください。
証拠がないと相談できませんか?
証拠は強い武器ですが、無くても相談できます。まずは記録を始めること、複数の同僚に共有することから始めてください。
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